リースと購入どちらが良い?【3つのポイントで考えよう】

こんにちは!石川県金沢市などで税理士として活動している平阪です。

コロナウイルスのワクチン接種もだんだんと本格化して来ましたね。

接種スピードが遅いといった批判もありますが、金沢市役所に勤務していた時はまさにワクチン接種などを担当する課にいたこともあり、保健師さんをはじめとする現場職員のがんばりを間近で見てきた者としては、そうした批判に負けずに頑張ってほしいなと思っています。

 まあ私自身は市役所時代も事務職採用でしたので、ワクチン接種業務を直接行ったことはなく、もっぱら契約関係の仕事などをしていたんですけどね。例えば福祉健康センターの清掃業務の契約や月々の経費支払い、複合機の入札やトナー購入等々・・

 ちなみに市役所の複合機のリース契約は入札で行われます。仕様書を示してその仕様書の機能を満たした複合機を納品できる業者が入札し、最安値を提示した業者と契約するという形ですね。一度仕様書が甘くて、機能的に問題はないものの、使い勝手の悪い複合機を契約せざるを得なくなり、同僚に冷たい目でみられたことを思い出しましたww

 ところで、たまにお客様から「OA機器って、購入したほうが良いのか、リース契約のほうが良いのか」という質問をされたりします。みなさん、どちらが良いと思いますか?本日はオフィスで利用するOA機器ややIT機器について、リースか購入かどちらが良いかを判断する際の考えるべきポイントをお伝えします。

  • 目次
  • そもそもリース契約とは?
  • 購入or リース 考えるべきポイント3つ

目次

そもそもリース契約とは?

 リース契約とは、一定の期間(OA機器だと5年程度が多いと思います)リース業者からOA機器などを借り、その契約期間中、毎月一定額のリース料金を業者に支払うという契約となります。

 リース料金には本体価格およびリース業者への金利手数料や保険料等が含まれています。複合機の場合、トナーの入れ替えや保守費用などもリース業者への支払いの中に入っている場合も多いですよね。

 また、リース契約終了後は再びリースする(再リースといいます。同じ機器を継続して借りる場合、通常かなり安い金額で借りられます)か、購入するか等を選択することになります。(契約内容によって異なりますが)なお、こうしたリース契約は基本的には中途解約は認められません

 ここまで読んでなにか気づきませんか?そう、リース契約とは、OA機器をローンを組んで購入し、月々OA機器本体価格とローンの金利、OA機器の保守料金などの維持費を支払っていくという取引形態になります。

つまり、OA機器を購入したほうがいいか、リースで借りたほうが良いかというのは、

①OA機器を購入してその後の保守料金等は別で契約する

ローンを組んでOA機器を購入し、本体価格、金利、保守料金等を月々支払う

このどちらが良いかの判断を行うということになります。

・購入or リース 考えるべきポイント3つ

OA機器は購入すべきか、リース契約すべきかは、次の3つのポイントで考えましょう。

考えるべき3つのポイント

①リース期間(5年間とする)で考えた場合のトータル支払額

②契約形態による経費の金額

③自社の財政状態

①リース期間(5年間とする)で考えた場合のトータル支払額

 まずは、5年間リースをするとして、購入の場合の支払額とリース料総額を比較しましょう。その際、購入の場合は、本体価格のほか、借入をする場合の借入利息、定期的な保守サービスを受ける場合の費用とリース料総額を比較します。

②契約形態による経費の金額

購入とリースで、費用にする方法が違います。

10万円以上の資産を購入する場合は、購入時に固定資産台帳に登録し、それぞれの資産ごとに決められた「耐用年数」に従って毎年「減価償却費」として費用化していきます。

OA機器によって耐用年数が違うので一概には言えませんが、仮に購入価格50万円、耐用年数5年の機器を購入した場合は、年間の減価償却費は10万円となります。(個人で定額法を採用している場合)

一方、リースの場合は支払ったリース料がそのまま費用となります。通常リース料は毎月均等なので、仮にリース料総額が50万円だった場合、年間の費用は10万円となります。

減価償却費については、毎年同じ金額を費用にする「定額法」というものと、取得価額に一定の率をかけ、費用を計算する「定率法」があり、定率法を採用している場合は上記のようにはならず、初年度や2年目での経費を増やすことはできます。

参考

定率法5年償却率0,4

初年度 50万円 × 0.4 = 20万円

2年度 (50万円ー20万円)× 0.4 = 12万円

ただ、いずれにせよ耐用年数またはリース期間という長期間で分割されて費用になるのは同じで、購入かリース契約かで、会計上どちらが有利というのはそこまではないです。

③自社(自身)の財政状態

 購入かリース契約で、一番考慮すべきなのは、自社(個人の場合は自身)の財政状態です。

借入もなく、資金に余裕のある場合は、積極的にリース契約を結ぶ理由はなく(①で検討したトータル支払額が購入よりも安い場合は検討の余地あり)、機器の購入と+別途保守サービスを結ぶべきだと思いますが、スタートアップ時など資金に余裕のない場合は、トータルでの支払総額が高くなると見込まれても、リース契約を結ぶメリットは出てくると思います。

まとめ

購入かリース、迷ったら次の3点で考えよう

①リース期間(5年間とする)で考えた場合のトータル支払額

 購入の場合は、本体購入費用だけでなく、借入利息や保守費用も併せて考える

②契約形態による経費の金額

 長期的に見たら費用にできる金額は変わらないが、定率法を採用している場合は購入初年度、2年度目は経費にできる費用が多い

③自社の財政状態

 お金に余裕があったら購入で良い。お金に余裕がない場合はリースも検討

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