仕事で使う衣服が経費になる場合【2つのポイントで判断しよう】

こんにちは!岐阜県などで税理士として活動している平阪です。

本日独立開業いたしました!

開業するにあたり、気持ちの上で高ぶるものとか、不安感とか出るのかなと思っていましたが、特になく。

まあ、これからすべきことは事前に決めていましたし、事前の計画にしたがって淡々とタスクをこなしていこうと思っていたので、あまり感情のブレがないのかもしれません。

ただ、不安感は今後出てきそうな気はしますが。

精神的な部分では揺らぎはないのですが、朝から揺らいだことがひとつありました。

それは・・ 「あれ、着る服がない!!何着ればいいの?」問題!

息子を保育園に送る際、いつもはスーツで送り、そのまま仕事に行ってましたが、スーツで行くのもあれだし、かといってゴリゴリの私服で行ったら、保育園の先生から「あれ、今日は仕事じゃないのに保育園預けるつもりかしら??」と暗に思われるんじゃないかと思い、フリーズしてしまったのです・・

とまあ、40のおっさんがまるで上京3日目の女子大生のような悩みを持つとは思いませんでしたが、オンオフを切り替える意味でもちょいフォーマルな服は必要!と判断し、購入しました。

フレスポ ユニクロ店で購入しました!

前置きが長くなりましたが、税務会計の話をしたいと思います。ずばり、「今回わたしが購入した服は、経費になるのか?」です。

本日はこのあたりのことを伝えていきます!

目次

個人事業主の衣服が経費として認められる条件

経費にすることが出来る衣服とはどのようなものがあるでしょうか?

所得税法上、経費にできるものの考え方として

”業務の遂行上直接必要であったことが明らか” で、”その必要部分を明らかに区分できる”

場合は必要部分の経費は損金算入できる

というものがあります。

つまり、お店を経営している方が着るユニフォームや、大工さんが着る作業服などは、 ”業務の遂行上直接必要であったことが明らか” なので、経費算入可能です。

問題は、仕事でも着るけど、プライベートでも着ることが可能な衣服の取り扱いです。税理士業でいうとスーツとかになりますよね。

この場合は、「仕事で使用している割合とプライベートで使用している割合が明らかに区分できる場合」に限り、仕事で使用している分だけ経費にすることが出来ます。

ただ、仕事とプライベートの使用割合を明らかに・・っていわれても、明らかに区分することはふつうは出来ませんよね。

というわけで、実務上、基本的にはスーツ代は経費には出来ない、とされています。

「いやいや、スーツなんて仕事でしか着ていないから全額経費にする!という意見も非常によくわかるのですが、仮に税務調査が入った場合、”仕事でしか着ていない”ということを証明するのはかなり難しいため、基本的には経費に出来ないと考えたほうが良いでしょう。

では、今回わたしが購入した作業服は経費になるのか?

フォーマルの判断はひとそれぞれ

ではでは、わたしが今回購入した「ちょっとフォーマルな服」(襟のついたシャツとカーディガン)は経費にできるのでしょうか?要件と照らし合わせて考えてみましょう。

1. ”業務の遂行上直接必要であったことが明らか” であるか?

今回購入した衣服の目的としては、「ちゃんと仕事してますよ感をアピールすること」、用途としては「事務作業を行う際に着用」となります。

所得税法上、”直接必要であったことが明らか”とは、店舗でのユニフォームや、大工さんの作業着など、その衣服でないと事業を適切に遂行できないくらいの必要性がないといけません。

この時点で、事務作業は特に私服で普通に出来ますので、 ”その必要部分を明らかに区分できる” かを確認するまでもなく、経費にできないことが確定しましたね・・残念です。

一応、2つめの要件もみてみましょう。

2. ”その必要部分を明らかに区分できる” か?

仮に今回購入した衣服が事業に絶対に必要だとして、その必要部分を明らかに区分できるかどうか、を確認します。

先の例で出た、店舗でのユニフォームや大工さんの作業着については、「仕事でしか使わない」ことが明らかですよね。(店舗のユニフォームを着てプライベートで遊びに行く人のことまでは知りませんw) なので、全額経費でOKとなります。

では、わたしの場合はどうでしょうか? 今回の「仕事で着用しているちょっとフォーマルな衣服」は、店舗や大工さんの現場のように、使用場所が限られるものではありません。なので、たとえ事業に必要だとしても、100%経費には出来ません。

100%経費に出来ないということは、必要部分を明らかにしなければなりませんが、いちいちこの衣服を着て仕事をしている時間を記録して、事業に使った分、プライベートに使った分、というようにわけることは現実的ではありません。

よって、2つ目の要件からも経費にできない、という結論になります。

・どうしても経費にしたい場合

今回のわたしの衣服はどうあがいても経費にはなりませんが、仕事でスーツを使用している方で、どうしても経費にしたいんだ!という方もなかにはいらっしゃると思います。

そんな方がスーツを経費にしたい場合は、上記2つの要件を満たす、つまりスーツが

”業務の遂行上直接必要であったことが明らか” であり、 ”その必要部分を明らかに区分” することが可能ならば、経費として認められる余地があるかと思います。

具体的には、事務所の更衣室などにスーツを置いておき、仕事をする時だけスーツを着用する などの運用を行えば、経費としていけるんじゃないかな?と思います。

ただ、そこまでするのも面倒くさいですし、現実的ではないかもしれませんが、今回お伝えした2つの基準に照らし合わせて、経費にできるかどうかを判断すると良いかと思います。

というわけで、今回は経費に落とせる衣服について解説しました。ではまた!

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