こんにちは!岐阜県高山市を中心に活動している税理士の平阪です。
さるぼぼコイン、使ってますか?
いわずと知れた飛騨地区内でのみ使える電子マネーのさるぼぼコインですが、すでにで1,500店以上の店舗で使えるみたいですね。
店舗での利用だけでなく、飛騨市や高山市での納税にも利用できますし、今後もますます便利になっていく予感がします。
PayPayをはじめとする、大資本が発行している電子マネーが拡大している中、一地域の電子マネーでこれほど浸透している電子マネーって他に例があるんですかね?
さるぼぼコイン、おそるべきです。
そんなさるぼぼコインですが、事業者がさるぼぼコインを決済手段として取り入れる場合、税金を計算する上で注意すべき点があります。
本日はそのあたりのお話をしていきます。
目次
さるぼぼコインの仕組み
まずはさるぼぼコインの決済方法について見ていきましょう。
さるぼぼコインの決済で登場する人物は
・加盟店(さるぼぼコインで商品を売る人)
・お客様(さるぼぼコインで商品を買う人)
・ひだしん(飛騨信用組合。さるぼぼコインの発行者)
・仕入先(加盟店の仕入れ先)
になります。
(なぜ仕入先が出てくるのかはおって説明します)
以下、取引の流れを見ていきましょう。
1万円の商品をさるぼぼコインで売った場合
①1万円の商品をお客様に販売
②商品代金をさるぼぼコインで支払
③さるぼぼコイン分だけ、現金預金が増える
加盟店とお客様のやりとりは以上です。
上記取引の結果、加盟店の現金・預金は1万円増えます。
ポイントは、さるぼぼコインとは、クレジットカードの様な売掛金でなく、現金・預金ということです。
なので、残高証明書にも金額が記載されますし、決算書の科目表記も売掛金でなく、現金預金に含めなければなりません。
さるぼぼコインを通常のお金に換金する場合
続いて、さるぼぼコインを通常のお金に換金する場合は以下の通りです。
④さるぼぼコインを通常のお金に換金する払い戻し手続きをします。
⑤その際、払い戻し金額に1.65%の手数料(消費税込み)が発生します。
クレジットカードの場合は、通常販売の翌々月に売上代金から手数料が差し引かれたお金が通帳に入金されますが、さるぼぼコインの場合は、さるぼぼコインを通常のお金に換金した際に支払手数料がひかれるんですね。
つまりさるぼぼコインのまま保有しておけば、支払手数料はかからないということになります。
さるぼぼコインのもうひとつの大きな特徴は、さるぼぼコイン加盟店同士であれば、仕入れの支払いなどにさるぼぼコインを使えることです。
以下、商品代5,000円を仕入先に支払う場合の取引の流れです。
⑥商品の仕入代金をさるぼぼコインで支払います。
⑦加盟店のさるぼぼコイン残高が減り、仕入れ先のさるぼぼコイン残高が増えます。
※さるぼぼコインの送金の際、送金手数料が送金金額の0.55%発生します。
さるぼぼコインを利用した場合の取引の概要は以上です。
換金時の手数料1.65%かかりますが、仕入れ先への送金手数料は0.55%とお得になっていますし、仕入れ先にさるぼぼコインで支払いをした場合、1.1%も手数料がお得になるようですね。
2021年7月現在、お客様から受け取ったさるぼぼコインは、換金するか、さるぼぼコインとして送金するかしかなく、他店でさるぼぼコインとして利用することはできない(まあ、それができてしまうと飛騨信さんのの儲けがなくなってしまうのですが)ため、最終的には1.65%の手数料は発生するしくみになっています。
今後はPayPayなどの支払手数料も有料になっていく流れですし、クレジットカードと比較すれば支払手数料の率も低いので、飛騨に住む者としてはさるぼぼコインが独自の地域通貨として浸透していけばうれしいです。
今回はさるぼぼコインの仕組みを解説いたしました。
次回はさるぼぼコインを扱ううえでの税務上の注意点を解説したいと思います。
ではまた!
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